全国の介護事業所が注目している外部との交流会

認知症を予防するためには、コミュニケーションの時間を増やすことが効果的である。他人とコミュニケーションを取ることで、脳が活発に活動を開始することは研究で証明されている。脳が活発に動けば動くほどに、認知症になる確率は減らせるのだ。

介護施設に入所している場合には、家族との対話をすることは少ないだろう。介護スタッフしか身近にいないので、介護スタッフによる利用者への語りかけは非常に重要な意味を持つのである。こうしたことが知られるようになった現在においては、各所で様々な工夫がなされている。事業所によっては、積極的に利用者とコミュニケーションを取るように推奨しているところもある。利用者が心身ともに健康でいられるように、新しいサービスも続々登場しているのだ。レクリエーションの時間に学生を呼んでコミュニケーションの手伝いをしてもらうという試みを導入している事業所も少なくない。外部の人間を入れれば、介護事業所としてもその分楽になる上、認知症の予防ができれば普段の仕事も圧倒的にやりやすくなるので一石二鳥だろう。リスクを極限まで落とすことができるとして注目を集めている。

予防効果が存分に発揮されれば、国全体の医療費の削減にもつながるかもしれない。もちろん本人も嬉しい上に、家族も悲しい思いをする必要がないだろう。日本全国の介護事業所で、外部との積極的なコミュニケーションが図られているのには、こうした背景があるのだ。